Category Archives: Bakery

ecomo Bakery

京都から横浜に引っ越して家探しをするとき、立地条件や築年数といった通常の条件以外にも、いくつか「こうだったらいいな」という希望があった。その1つが「おいしいパン屋さんが近くにあること」。でも横浜には思ったよりパン屋さんは多くなくて、その希望は叶わなかった。好きだと思えるパン屋さんも私の行動範囲ではみつからず、都内に出るたびにパンを買いだめする日々だった。それがここ1年で大きく変わった。比較的出やすい場所に、すごくいいパン屋さんが2つもできたのである。中でも今いちばんのお気に入りが「ecomo Bakery 」。

img_0003

国産有機小麦などオーガニック原料を中心としたパンのお店なのだが、とにかくもっちもちで、小麦の味がしっかりして、何を食べてもおいしい。これはルヴァンというバゲット。実際はこの倍くらいの長さ。

img_0007

いちばん好きな「Kakukaku」。食パンがあまり好きではない私だけど、これは毎回必ず購入する。尋常ならざるもちもち感! トーストして食べると、香ばしい小麦の香りが広がって、何度食べても「おいしいなあ」とつぶやいてしまう。

img_2069

イートインするときに必ずオーダーするのはサンドイッチ。オーダーごとに作ってくださるので、いつもできたてのフレッシュ感が味わえる。パンはkakukaku。みずみずしくもっちりしていて焼かずに食べても美味。コーヒーはオーガニックのものを1杯ずつひいていれてくださる。

img_0010

これは「有機栽培ホクシンのクープのないバゲット」。しっとりもっちりさせるためにあえてクープを入れずに作っておられるのだそう。ひきのある生地をシンプルに堪能できる。

「有機クルミのカンパーニュ」や「マスカットレーズンのカンパーニュ」は具材の味も濃くて、また違ったおいしさを楽しめる。

img_0006

「有機抹茶の粒あんぱん」など菓子パンも美味。このスイートポテトは、ちょっとびっくりするお値段だったのだけど(精算後に気づいた…)、フィリングはもちろんパイ生地までしっかりおいしくて、価格にも納得。

ケーキやデリもあるのだけれど、パンがおいしすぎて、まだそのあたりは未踏の領域。モーニングもあるみたいなので、いつか早起きして行ってみたいな。

もう1つのおいしいパン屋さんはまたそのうち…。

長崎「bread A espresso」

長崎で訪れた中で、忘れられないお店「bread A espresso」。

IMG_1681

パンとエスプレッソのお店で、味もとてもおいしかったのだけれど、何より印象的だったのはお店の雰囲気。ピンクがかった淡いグレーの壁の小さな店内には、古い石材のような素材のカウンターと、アンティーク風の木材でできたショーケースだけ。椅子も花も華美な装飾も一切ない、すっきりとしたシックな空間。古木風のドアも、吊り下げ型の照明も、一つ一つ大切に選ばれたのだろう。白いエアコンまでダメージ加工のペイントがしてあって、徹底した美意識を感じる。

パンは対面形式で、注文するとマダムが包んでくれる。このマダムがバリスタさんだそうで、会計をしながらコーヒーも淹れてくれる。イートインも可能なので、パンと一緒にカフェラテを注文してみた。確か岐阜のコーヒー豆屋さんのスペシャルティコーヒーを使っているそうで、その日のおすすめが黒板に記してあった。なみなみと注がれたカフェラテは香り高くて、とてもおいしい。

驚いたのはパンが盛られたお皿。作家ものの白い粉引きの台皿だった。粉引きは脆いし、油も染みるし、扱いがとても厄介。こんな忙しいお店で扱うのは本当に大変だと思う。でもそのざらりとした温かい風合いと、少し高さがある台皿は、このお店の空間とパンにとても良く合っていた。自分が良いと思うものだけを使っておられるんだろう。その心意気に感じ入ってしまった。

朝食をここで食べ終えて、その素敵な印象を噛み締めつつ歩いていると、夫が「明日の朝もここでいいんじゃないの」とぽつり。やっぱりそう思ったよね!

ということで2日連続で訪問。でもすごい人気店のようで長い行列ができていたから、2日目はイートインは断念。コーヒーをオーダーすると、パンの注文が停滞してしまうので…。

IMG_9885

たぶんこのお店で使われていたのと同じタイプのお皿(違う作家さんのかもしれないが)。このお店での経験に感激して買い求めた、川口武亮さんの粉引きの台皿。形がまるでステージのようで、料理をちょっとドラマチックに見せてくれる。

IMG_9875

2日目はおみやげに、ビターチョコたっぷりの「ショコラ」などパンをいろいろ買って帰った。右はヴィエノワ生地の丸いパンに、ホワイトチョコとマカダミアが入ったもの。同じ形・生地で、アールグレイ、キャラメルナッツなどのフレーバー違いがたくさんそろっていた。ほかにはハードなバゲットやカンパーニュ、ドライフルーツ入りの食事パンなど。デニッシュ類はあまりないようだった。確かに色とりどりのフルーツが乗ったデニッシュはこのお店に似合わないかも。

行列ができていたし、何だか写真を撮る気になれなかったので、あまりお店の雰囲気が伝わらないかもしれない。でもあんな素敵なお店にはなかなか出合えない。あのお店がある長崎の方を羨ましく思う。

芹沢銈介美術館と、静岡のお店いろいろ

静岡市へ日帰り出張することになり、せっかくなので観光して帰ろうと計画。仲良しのお仕事関連の方が「駅近くに美術館がいくつかあるよ」と教えて下さった。駅すぐの静岡市美は私が行ったときは岩崎ちひろ展で、わざわざここで観ることもないなあとパス。静岡市立芹沢銈介美術館を訪れることに。芹沢銈介の作品もだけど、白井晟一の手がけた本館「石水館」も楽しみだった。

IMG_1303

石を積み上げた門を入り、木々の間をしばらく歩くと、水の音が聞こえてくる。この日はとてもいい天気で、緑がきらきらと輝いていた。噴水は椿の木で全貌は見えない。桂離宮の「目隠しの松」を思い出す。

平日なのでほかに誰もいないのをいいことに、しばらく立ち止まってこの空間を堪能する。写真を撮ろうとしたが、こんな程度にしか撮れないので早々に諦めてしまった。

美術館の設計は芹沢自ら白井に依頼し、すべてを任せたとパンフレットにある。石塀も木も建物も背が低く威圧感がない。唯一、G展示室だけほかより天井が高い積み石の白壁になっていて、祈りの空間のような荘厳さが漂う。

私が訪れたときは「暮らしに生きる文字―芹沢銈介の文字絵と朝鮮民画―」展を開催中だった。文字をデザインしたシリーズが面白く、中でも一番心に残ったのが「天の字のれん」。

ラフ_0002

藍色の空に純白の布がひらりと羽ばたいていく、その一瞬を切り取ったような躍動感にどきどきする。手を離れた風船がどこまでも空を飛んで行くのを見送るときの、あこがれや切なさが入り交じった気持ちになる。

「て」という文字を表現しつつも、抽象画のような趣もある。画像は絵はがきをスキャンしたものなのでよくわからないが、のれんなので実物は結構大きい。実際にこののれんが大きな家の軒先にかけられて、風にそよぐさまはどんなに清々しいだろう。

 

売店(ミュージアムショップ)でカレンダーも発見。

http://ec.seribi-shop.jp/?pid=93446494

毎年、曜日の一致する年のものを復刻して販売されているようで、2016年は1960年のもの。色合いと手漉き和紙の風合いが素晴らしく、本当にほしかったのだが、カレンダーは使わないし飾る場所もないので断念。こちらを見てしまうと、縮小プリントしただけの卓上カレンダーの方なんて買う気になれない。

toro

美術館は登呂遺跡公園の中にある。登呂遺跡の雰囲気になじむよう、石や水、木の自然素材が用いられているのだという。

お昼ご飯は、登呂遺跡公園のすぐ横にある「もちの家」へ。

IMG_1296_Fotor_Collage

安倍川餅が名物のお店なのでお蕎麦は期待してなかったのだけど、意外とおいしかった。お蕎麦のセットにお餅もついてきて、おなかいっぱいに。昭和の田舎にタイムスリップしたような古民家の空間もとても良かった。でもお店の人によると、土日祝は凄まじく混むそうな。

静岡市は初めてだったので、いろいろ調べてパン屋さんにも行ってみた。

IMG_1599_Fotor_Collage

天然酵母パンの「プパンベーカリー」。インテリアもセンスが良くて素敵だった。もちもち食パンや豆ぱん、フロマージュ(チーズケーキ)、期間限定のスイートポテトパウンドを購入。

IMG_1600_Fotor_Collage

静岡駅近くのおしゃれなコーヒースタンド「ハグコーヒー」でおいしいラテも。スペシャルティコーヒーが気軽に味わえる。近くにあったらいいのになあ。常連さんっぽい若い人でにぎわっていた。

思っていたより都会で、まだまだ楽しげなお店があった静岡。芹沢銈介美術館では芹沢銈介の家も観られたというし(知らなかった!)、また訪ねてみたいな。