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松本

松本で食べたおいしいものを絵日記にしてみた。

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松本では、なにはなくともお蕎麦。着いてすぐに行った「佐々木」、翌昼には「野麦」、最終日にもエキナカの立ち食い蕎麦と、お蕎麦ざんまい。「野麦」がいちばん好きだったな。いろいろなメニューがあるお店より、ストイックにお蕎麦だけでやっているお店が好きだということを自覚した。

中町通りを歩いていると、クラフトビールのタップルームを発見。「松本ブルワリー」というまだ新しいクラフトビールのお店だった。今のところは委託醸造だけど、ゆくゆくは自社で醸造もしたいとのこと。「マツモト・トラディショナルビター」が好みだった。

カウンターのお姉さんたちもとてもフレンドリーで、いろいろ松本のことを教えてくださった。松本名物という馬肉が食べたくて注文したら「今は入ってこない」と言われた、という話をしたら、「あ〜、馬肉専門店のご主人が体調崩されてるからですね」とのこと。馬肉のエキスパートみたいなお店で、ここからしか馬肉は仕入れないというお店も多いのだそう。

夜は、行きたい居酒屋さんがいっぱいだったので、鶏鍋のお店へ。とてもおいしかったけど、京都の鶏だというし、松本で食べなくてもよかったかな…。2階のお座敷で仲居さんがお鍋を作ってくださったんだけど、煮立った土鍋や炭火を持って階段を登ってこられるので、心配で仕方なかった。

食事のあとは、タップルームのお姉さんにお勧めしていただいたバー「サイドカー」へ。オーセンティックな大人のバー、という雰囲気。季節の果物を使ったカクテルが名物のようで、「巨峰のサイドカー」「ナイアガラのスパークリング」をいただいた。生の果実を使って丁寧に作られたカクテルは本当においしくて、忘れられない。カクテルはあまり好きじゃないなんて思っていたけど、認識を改めないといけない。ご主人お気に入りのお蕎麦やさんを教えていただいたのに、定休日で行けなくて残念。

松本での宿泊は、以前から泊まってみたかった「松本ホテル花月」で。

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明治創業の老舗ホテル。ラウンジには民藝家具や古い民藝品がいっぱい。

以前、予約だけして都合が悪くなったことがあるんだけど、今年改装されたせいか、そのときより少し割高になったみたい。

松本ではバスに乗って「松本民芸館」にも行ってみた。

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緑豊かでとても静かなところ。古い館内を、木立を渡ってきた風が抜けるのが心地いい。

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上高地から戻ってきた日も少し時間があったので、「松本市美術館」へ。

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松本出身ということで、草間彌生の作品が外にも。自動販売機まで!

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訪れたときはちょうど企画展の端境期で残念。でもコレクション展の特集展示「草間彌生 魂のおきどころ」はとてもよかった! 鏡の部屋が特に印象的。

美術館近くの書店&カフェ「栞日」もとても素敵だった。

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リトルプレスを専門に扱うユニークな本屋さん。海外のZINEも置いてあって、とても興味深かった。スコーンなど焼菓子もとてもおいしそう。

器屋さんや雑貨店もすてきなお店がたくさんあって、本当に楽しい街。ぜひまた訪れたい。

 

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京都 2016夏

帰省のついでに京都へ。今回のメインイベントは「草喰 なかひがし」!

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たぶん10年近くぶり。なかなか予約取れないイメージだけど、1ヶ月前を過ぎても大丈夫だった。

聞いたこともない野菜がたくさん。鯉や鴨、鰻もおいしかった!

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銀彩のお椀がとてもスタイリッシュで印象に残った。中には鮎が泳いでた。

支払い時にカードは使えないので注意…

いつもの「京天神 野口」さんへも。

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全部おいしかったー。ガラスのお皿がきれいでしげしげ見てたら「世界に13枚しかない古いベネチアングラスやで!」とのこと。お椀は鶏のおだしに松茸という変わり種。

あとはとにかく暑かったので、氷も。

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「二條若狭屋 寺町店」のバジルとライムの氷と、パイナップルの氷。さっぱりフレッシュ。

午前中に行くと比較的人も少ない。

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お昼にはお蕎麦を。「かね井」は以前荒挽きそばを食べたときは何も思わなかったけど、今回ざるそばを食べたらとてもおいしかった。お酒も珍しいものがちょこちょこあった。

宿泊は、一度泊まってみたかった「アートホステル クマグスク」。

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展覧会の中に宿泊できるというもの。訪れた時は藤本由紀夫さんの「THE BOX OF MEMORY」展だった。各部屋や廊下にも展示があって面白かった。かわいいおかみさんが丁寧に手作りされる朝ごはんもすごくおいしかった!

でも我々はバス・トイレ共同というのがしんどいので、宿泊はもうしないかな…。見学もできるようだったし。

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話題の「Kaikado Cafe」にも行ってみた。素敵な空間。あのあたりはあまりお店もないし、その意味でも貴重だと思う。

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北野天満宮さんへもお参りに。大福梅の土用干しが見られて嬉しかった。7月から4週間かけてカラカラになるまで干すとのこと。

あとはいつもの骨董店「尾杉商店」で漆のお皿を買ったり。しかし横浜や都内と比べて関西はあまりに暑くてびっくり。今年は関東は比較的涼しかったからかな…。もっと器も見に行きたかったけど、暑さで行動力が落ち、行きたい気分になれず残念。去年も「もう8月に京都に行くのはやめよう」と思ったはずなのに。でもまた行くんだろうな。

長崎県美術館

最終日、飛行機までちょっとだけ時間が余ったので、長崎県美術館に行ってみた。

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私が訪れたときは常設展として鴨居玲展が開催されていた。割と好きな作家だったので、それを観ることに。鴨居玲は長崎が本籍なのだそう。常設展は1時間ほどで観るのにちょうどいい規模だった。

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建築は隈研吾さん。屋上からは長崎港が見渡せるとても立派な建物なのだけど、日曜のお昼なのに屋上には誰もいなかった…。展示室も人が少なかったし、大丈夫だろうか。レストラン・カフェも眺めがよく、料理もおいしそうだったのだけど、時間がなくて残念。

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ここのミュージアムショップはおみやげ品も充実していて、パッケージデザインもすてきな特産物がいろいろそろっていた。おみやげにBARAMONの「五島手延うどん」を買い込む。長崎デザインアワード2013の大賞を受賞しているだけあって、パッケージがとてもかわいい。

長崎旅行記はこれでおしまい。

 

山口浩美さん 氷菓文の器

輪島を訪れたときギャラリーで見かけて、すっかり魅了されてしまった、山口浩美さんのうつわ。

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漆器、特に蒔絵の施された輪島塗というと、やはり特別な器というイメージがあった。豪華でかしこまった、贅沢なもの。でもその山口さんの漆器は、とてもモダンだった。蒔絵がとてもかわいらしくて、詩的な雰囲気が漂う。それまでそんな漆器を見たことがなかった。でも私にとってはぱっと手を出せる価格ではなかったので、ため息をついて眺めながら、そのときは諦めることに。

しかし帰宅してからもずっと、その器が頭から離れなかった。山口さんが東京の百貨店で個展を予定されているという噂を聞いて、めぼしい百貨店のサイトをたびたびチェック。数カ月越しで、漸く再会することができた。

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張り切って初日に出かけたので、嬉しいことに山口さんともお話しすることができた。もうひとつ、とても素敵な盃(高台が付いた小皿)にも惹かれて、大いに迷う。山口さんにも色々とアドバイスして頂き、やはり最初に一目惚れした器に決定。

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つたない写真であまり良さが伝わらないかもしれないが…。この器は「氷菓文」という、琥珀羹やパート・ド・フリュイのような砂糖菓子に着想を得た文様だそう。小さな四角形の蒔絵が宝石のようで、光の当たる角度で色や輝きが変わり見飽きることがない。螺鈿の貝材の違いだけではなく、裏に銀箔を貼ったりして、違いが出るようにしているとおっしゃっていた。

山口さんご自身から、器に込めた想いや使い方を教えていただけたのも良かった。後日、山口さんから素敵なお手紙もいただいて感激。

yamasanもとはデザートカップとして作られたものだそうなので、朝、ヨーグルトを食べるために毎日のように使っている。すぐに洗って拭きあげる余裕のある日に限るけど。

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冒頭の写真は文様にちなんで、名古屋の花桔梗というお菓子屋さんの「シャンパン寒氷」という寒天菓子を合わせてみたもの。仙台の冬限定のお菓子「霜ばしら」を盛ってみたり。

器として使うときも、ただ置いてあるだけでも、目にするたびに幸せな気持ちになれる。そんなふうに思えるものってそうはない。ずっとずっと大事に使っていこうと思う。

芹沢銈介美術館と、静岡のお店いろいろ

静岡市へ日帰り出張することになり、せっかくなので観光して帰ろうと計画。仲良しのお仕事関連の方が「駅近くに美術館がいくつかあるよ」と教えて下さった。駅すぐの静岡市美は私が行ったときは岩崎ちひろ展で、わざわざここで観ることもないなあとパス。静岡市立芹沢銈介美術館を訪れることに。芹沢銈介の作品もだけど、白井晟一の手がけた本館「石水館」も楽しみだった。

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石を積み上げた門を入り、木々の間をしばらく歩くと、水の音が聞こえてくる。この日はとてもいい天気で、緑がきらきらと輝いていた。噴水は椿の木で全貌は見えない。桂離宮の「目隠しの松」を思い出す。

平日なのでほかに誰もいないのをいいことに、しばらく立ち止まってこの空間を堪能する。写真を撮ろうとしたが、こんな程度にしか撮れないので早々に諦めてしまった。

美術館の設計は芹沢自ら白井に依頼し、すべてを任せたとパンフレットにある。石塀も木も建物も背が低く威圧感がない。唯一、G展示室だけほかより天井が高い積み石の白壁になっていて、祈りの空間のような荘厳さが漂う。

私が訪れたときは「暮らしに生きる文字―芹沢銈介の文字絵と朝鮮民画―」展を開催中だった。文字をデザインしたシリーズが面白く、中でも一番心に残ったのが「天の字のれん」。

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藍色の空に純白の布がひらりと羽ばたいていく、その一瞬を切り取ったような躍動感にどきどきする。手を離れた風船がどこまでも空を飛んで行くのを見送るときの、あこがれや切なさが入り交じった気持ちになる。

「て」という文字を表現しつつも、抽象画のような趣もある。画像は絵はがきをスキャンしたものなのでよくわからないが、のれんなので実物は結構大きい。実際にこののれんが大きな家の軒先にかけられて、風にそよぐさまはどんなに清々しいだろう。

 

売店(ミュージアムショップ)でカレンダーも発見。

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毎年、曜日の一致する年のものを復刻して販売されているようで、2016年は1960年のもの。色合いと手漉き和紙の風合いが素晴らしく、本当にほしかったのだが、カレンダーは使わないし飾る場所もないので断念。こちらを見てしまうと、縮小プリントしただけの卓上カレンダーの方なんて買う気になれない。

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美術館は登呂遺跡公園の中にある。登呂遺跡の雰囲気になじむよう、石や水、木の自然素材が用いられているのだという。

お昼ご飯は、登呂遺跡公園のすぐ横にある「もちの家」へ。

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安倍川餅が名物のお店なのでお蕎麦は期待してなかったのだけど、意外とおいしかった。お蕎麦のセットにお餅もついてきて、おなかいっぱいに。昭和の田舎にタイムスリップしたような古民家の空間もとても良かった。でもお店の人によると、土日祝は凄まじく混むそうな。

静岡市は初めてだったので、いろいろ調べてパン屋さんにも行ってみた。

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天然酵母パンの「プパンベーカリー」。インテリアもセンスが良くて素敵だった。もちもち食パンや豆ぱん、フロマージュ(チーズケーキ)、期間限定のスイートポテトパウンドを購入。

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静岡駅近くのおしゃれなコーヒースタンド「ハグコーヒー」でおいしいラテも。スペシャルティコーヒーが気軽に味わえる。近くにあったらいいのになあ。常連さんっぽい若い人でにぎわっていた。

思っていたより都会で、まだまだ楽しげなお店があった静岡。芹沢銈介美術館では芹沢銈介の家も観られたというし(知らなかった!)、また訪ねてみたいな。

六本木、2つの展覧会 と器

お仕事で東京に来た友人のお誘いで、一緒に展覧会へ。国立新美術館で開催中の「ニキ・ド・サンファル」展と、森美術館ではじまったばかりの「村上隆の五百羅漢図展」を観てきた。

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村上隆は好きでも嫌いでもないのだけど、この展覧会はそんな私でもとても楽しめた。五百羅漢図は羅漢一人ひとりの造形が細かくかつ面白く、ツボに入った友人はしばらく笑いが止まらなくなっていた。

これまであまりイメージがわかなかった、村上の工房システムの様子が垣間みれたのも良かった。日本中の美術大学から大勢のスタッフを集め(村上曰く「スカウトキャラバン」)、200人以上のスタッフでこの作品を作り上げる様子が膨大な資料とともに展示されている。特に今回は時間的制限が厳しかったそうで、24時間のシフト制で凄まじい緊張感のもと制作されたことが伝わってきた。この作品が生まれるもとにもなった美術史家・辻惟雄との「芸術新潮」の連載の展示もとても面白く、1つ1つじっくり観てしまう。

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一方のニキ・ド・サンファル。箱根の彫刻の森美術館などで「ナナ」シリーズの太った女性の彫刻をみるたび「セルライトすごそう」くらいにしか思っていなかったのだけど、まとまった作品を観たのは今回が初めて。精神疾患の療養のために制作していた初期の作品などは素敵だと思ったけど、全体を観てみて、私はやっぱり好きじゃないなという結論に。しかしニキがあんなにすごい美人とは知らなかった。

 

国立新美術館での意外な収穫だったのが、地下ミュージアムショップ「スーベニア フロム トーキョー」で行われていた「すこし背筋を伸ばす。良い器がたくさんあった…。

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これは横山 拓也さんの粉引きの板皿。私のまずい写真では全然良さが伝わらないのだけど…。

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細かく入った繊細な貫入が美しくて、ずーっと見ていたくなる。貫入の入り方で1枚ずつ表情が異なるので、とお店の方が4枚出して下さって、見比べながら選んだ。友人も一緒に選んでくれて、2人とも同じものを選んだことがとても嬉しかった。

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これは田鶴濱守人さんの黒錆のお皿。秋になって、土っぽいものがほしいなと思っていたので。

実際に使ってみるとざらりとした風合いが温かくて、予想以上に気に入っている。使う前にお湯で温めれば保温性も良い。

ほかにも境 知子さんの真鍮の取手がついた急須など、素敵な器ぞろい。また行ってしまうかもしれない…。

 

 

金沢21世紀美術館

金沢に行ったら寄らずには帰れない、金沢21世紀美術館

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美術館ながら市民の憩いの場所になっているイメージだったのだけれど、連休に入ると人で人で大にぎわい。すっかり金沢の一大観光スポットに。

夫も行きたいというので土曜に行くことに。朝のうちに無料ゾーンをさらっと見て、チケットだけ買っておき、企画展はなるべく空いていそうな午後5時以降に再訪。金曜・土曜は午後8時まで開いているので。

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ちょうど企画展「ザ・コンテンポラリー2 誰が世界を翻訳するのか」と、「ザ・コンテンポラリー3 Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊」が始まったばかりだった。

どちらもあまり一般向けとはいいがたい内容だと思うのだけど、シルバーウィークであろうと容赦なくぶつけてくるのがすごい。

「Ghost in the Cell」は初音ミクに遺伝子と細胞を与えて心臓を作ったとかいうもので、私はあまり好きになれなかったが、「誰が世界を翻訳するのか」は見応えがあった。

写真撮影がOKな展示もたくさん。

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これはペドロ・レジェスというメキシコの作家の《人々の国際連合》。

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これはインドの作家・シルパ・グプタの《無題(ここに境界はない)》。

印象に残ったのは、邱 志杰(チウ・ジージエ)の作品群。視覚的にもクールだし、メッセージも1つ1つきちんと読むと面白かった。人が全くいないヨルダンの砂漠地帯の遺跡を空撮した、ジャナーン・アル=アーニの映像作品《シャドウ・サイト2》も衝撃的だった。

でも一番強烈だったのは、アルトゥル・ジミェフスキ(Artur Żmijewski)の映像作品《彼ら(THEM)》。

思想によって分けられたポーランド人のグループが、まずそれぞれの団体を象徴する絵を描き、その後別のグループの絵に互いに手を加え合うというワークショップを記録したもの。

最初は普通の善良そうな青年やおっとりしたおばちゃんたちに見えたのに、誰かが過激な行為をし始めると、それに便乗したり報復したりしてどんどんヒートアップしていき、最後にはもう手のつけられない状態に。戦争が起こる縮図を見ているようで、震えるほど恐ろしかった。

25分以上ある作品なのであまり最初から最後まで観る人がいなかったのだけど、我々はこの作品にすっかり打ちのめされて、美術館を後にしたのだった…。

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